紫陽花
毎年、この季節を楽しみにしています。
紫陽花は、晴れの日よりも曇りや雨の日の方が
本来の美しさを感じられる、数少ない花です。
からっと明るく朗らかな存在よりも
ちょっと陰がある方が惹かれる私です。笑
繊細なグラデーション、
ため息が出るほど美しいです。
でも、切り花にすると維持が難しいのですよね。
置かれたところで咲くのがよいということを
教えてくれているのでしょうか。
私事ながら、この時期に生まれたこともあり、
紫陽花は幸せな記憶とセットになっているようです。
静岡県西部では、紫陽花の名所といえば
方広寺は自然な感じで、それもよいのですが
若干傷んでいるかな、と正直なところ感じました。
そんなわけで、今年は森町の極楽寺に。
その日は小雨が止んでコンディションは最高でした。
お寺には丁寧に手入れされた紫陽花が
所狭しと咲いています。
紫陽花って、"咲き誇っている"という
感じではないところも好きです。
あらためて、花を見て何かを感じる感性、
ながめたいと思う気持ちを失わないように
日々を暮らしたいなと思いました。
いくつになってもパワーの源は"好奇心"の
はずだから。
お寺を出たところには、和菓子屋さんの小さな出張所も。
みそまんや水まんじゅうなど、イートインも可能です。
周辺は田んぼで囲まれています。
しずかに稲が揺れて野花に蝶がとまり、
時間が止まったような景色でした。
年齢を重ねるごとに、静寂さの大切さを感じます。
ちなみに、紫陽花はもったいなくても
きっちり剪定?してあげないと
翌年の出来が悪くなるんだとか。
極楽寺さん、今年も素敵な紫陽花を
ありがとうございました。